様々な人の恥ずかしい過去を暴くためのサイトとして比較的有名な Internet Archive だが、トップページを見ればわかる通りその巨大なストレージ領域を生かして違ったサービスも提供している。
その中で私は Audio に目を付けて、ここを楽曲のアップロード先に使えないものかと考えたのである。
アカウントを作成し試しにアイテムを作り、そこへいくつかのファイルをアップロードして挙動を調べてみた。
MP3(192kbps) をアップロード
→ MP3(VBR), MP3(64kbps), OggVorbis を自動生成
OggVorbis をアップロード
→ MP3(VBR), MP3(64kbps) を自動生成
Wave をアップロード
→ FLAC, OggVorbis, MP3(VBR), MP3(64kbps) を自動生成
FLAC をアップロード
→ OggVorbis, MP3(VBR), MP3(64kbps) を自動生成
OggVorbis のクオリティは大体 -q3.0 ~ -q4.0 ぐらい、MP3(VBR) は -V3 ~ -V5 ぐらいのビットレートになっているように思える(状況によってこれは変わるので何ともいえない)。
CD と同等のクオリティのデータを配信する目的の場合、FLAC ファイルをアップロードしても Wave ファイルにデコードして配信してはくれないため、ダウンロードする側の手間を考えれば Wave ファイルをアップロードするのも選択肢のひとつとして考えられる(というか、FLAC で送信したのを Wave にデコードして欲しいというのが本心なのだが……)。もちろんリスナーに FLAC のデコードができることを要求するならば、FLAC でアップロードしても一向に構わないと思うが、面倒臭がりな人にとっては Wave がいい状況も少なくないだろう。
OggVorbis と MP3 は自動生成の場合出力されるビットレートに不満があるかも知れないが、特に変更する方法はなく、自分で MP3 を違うビットレートでエンコードして ファイル名_128kb.mp3 などのファイル名でアップロードしてトラック番号を一緒にしても、ファイル一覧ではまとめてもらえない(Flash の楽曲リストにはまとめてもらえるようだ)。
多くの場合 MP3(VBR) の音質はそこそこのものが出力されるので、妥協してしまった方がいいように思える。
Internet Archive のサーバのダウンロード/アップロード速度は爆速とはいかなくとも結構速いので、贅沢に FLAC か Wave でデータをアップロードして、サーバ側で MP3 に変換してもらう使い方が個人的には一番いいのではないかな、と思う。
その他画像データや PDF データを送信する事もできるので、今までディスク媒体として配布していたものなどを完璧にデジタルベースで配布する事も可能だと思われる。
なおアップロードしたデータに関しては Public Domain や Creative Commons などのライセンスを選択しそれをページ内に表示する事ができるので、ダウンロードする側にとっても明確なライセンスの元でダウンロードできるのである程度の安心感を得られそうだ。
アイテムの削除をする方法はないのだろうか。